婆ちゃん猫の思い出
おはようございます
着物について考えている紅です。
依頼された披露宴の衣装担当を滞りなく終えた翌日から
まるで私の手が空くのを待っていたように
本当に潔く
婆ちゃん猫、彼女は食べなくなりました。
いつもと同じように水を飲みにいっても
飲み方を忘れてしまったように飲めない。
それを何度か繰り返し・・・
いつも通りにしようと仕事にも行き、特別なことはせず過ごしました。
私が二日続けて出かける用事がない日を選んだように
ご飯を食べるのをやめて4日目に天寿を全うしました。
前々から決めていた通りに
着物の胴裏をリメイクしたバラの花を敷き詰めて見送りました。
胴裏でドレスを作ってあげようと思っていましたが、季節的に冷たかろうと幼い娘が着ていた手製の白い毛糸のケープをかけてあげることに。
翌日からも、いつも通り
自分があんまりいつも通りなのに違和感を感じながらも
いつもと同じ生活が。
変わったのはもう一匹いるおばさん猫の相手をする時間が増えたこと。
いつも後回しにしていたので。
彼女も痛手らしく、アジの開きを焼く匂いにも無反応だったり。
らしくない。
あれから半月ほどの時が流れたけれど、正直なところ
悲しくない
涙が出ない
なぜなんだろう?
大きな大きな塊で外に出てこれないんだろうか?
少しずつ安全に外に流そう・・・
私は冷たいんじゃないんだろうか?
そばにいた命がなくなることは
「ただ悲しい」
だけではなく
自分の死を感じたり
死の行方を馳せたり
私にいろんな経験をさせてくれているようです。
死は
悲しいものではないのかもしれないと思ったりもしています。 紅